存在意義とその先

磯部祐太朗

僕は186cmという誰もがうらやむ高身長を持ち、ハンサムで爽やか。話は面白く、優しい。要は完璧だ。ただ残念ながら一つだけ、たった一つだけ大きな欠点を抱えている。

「サッカーが下手くそ」なのだ。

幼稚園から続けているのにも関わらず

「サッカーが下手くそ」なのだ。

四年生となった今現在もだが。だから入部した当初は本当に苦労した。

高2の春に第一志望であった横国受験のため部活を引退した。毎日YouTubeで横国サッカー部の動画を観ながら受験勉強に励んだ。しかし、いざ合格し入部すると周りのレベルの高さや自分の下手さに愕然とした。パスも満足にできない。トラップもボールを止められない。サッカーの知識もない。体力もないで、先輩に怒られまくった。先輩に怒られるのを恐れながら、怒られないようにすることだけを考えていた。パス練習や鳥かごはできるだけ先輩と同じ組にならないように逃げた。

「先輩やうまい同期の足を引っ張っている気しかしない。俺、ここにいる意味ある?」

そう感じた。先輩や同期のことが大好きだったし何よりサッカー部という場所が大好きだったので「辞めたい」とは微塵も感じなかったことが幸いだった。むしろ、リーグ戦で活躍する先輩たちの姿を観ているうちに自分もAチームに上がってみたいという気持ちが芽生え始めていた。そこで「下手くそで足を引っ張ってるのに、A チームに上がる方法」を考えるようになった。学生だけ運営している横国サッカー部だからこそその方法を見つけるのに時間はかからなかった。

「練習中誰よりも声を出す。そして頑張っている姿を露骨にアピールする。」

練習開始時には誰よりも大きく気合を入れる声を出した。練習の合間にチームの雰囲気を盛り上げる声を出しまくった。練習中は怒られないようにプレーするので必死で声が出せないことが多かったが。笑 AチームとBチームが午前午後で練習時間が分かれている日 は、盛り上げに行くために A チームの練習にも行った。足を引っ張るから練習には参加せず、ただ声を出しボールを拾うだけ。だけど自分にとってはそれで楽しかったし、自己満足でしかなかったがわずかながらチームに貢献できている気もした。リーグ戦の応援も声が枯れるまでした。

声をばかみたいに出すやつ。声を出すだけのために練習に来るやつ。関東リーグに所属するチームにそんなやつはいないのかもしれない。下手くそだからこそ声出してる暇あったら練習に集中したほうがいいのかもしれない。だけど学生だけで運営しているからこそ、サッカー推薦がなくレベルのばらつきが大きい横国だからこそ、サッカーが下手くそだからこそ、一つの大きな命題が生まれる。

「自分にできることは何か。」

はじめはどうやったら自分をアピールできるかというところから始まったが、次第にどうやったらチームに貢献できるか、関東二部昇格の力になれるかという考え方に変わっていった。自分は声を出すだけだったが、Aの練習にも行くことにより Aチームのプレイを間近で観て自分に足りないものを感じることができ結果的には自分がうまくなることにもつながった。アピールするために自主練をたくさんしたことで結果的にうまくなれた。だからこそ初めてAチームのメンバーに自分の名前があったときは部屋で絶叫した。自分の努力をみてくれている人がいてくれることが本当にありがたかった。うれしかった。

「一週間でBチームに落とされたけど。笑」

でもそれでよかった。A チームのメンバーと一緒にプレイすることで自分に足りないものが明確になった。もっと練習を頑張ろうと思えた。またAチームに上がってやると思えた。自分が横国サッカー部にいる意味を感じられた。だから僕にとっては祐太朗うまくなったといわれるより「祐太朗がいると練習・試合の雰囲気がいい」って言われるほうが嬉しい。そこに自分の「存在意義」を感じられたから。

長々と思い出話をして申し訳ない。もうまとめ方がわからない。
結局何が言いたいかというと、

「常に自分にできることは何か。自分の存在意義は何か。」

を考え続けるべきだということ。おそらく、サッカー部に限らずどんな組織に所属していても。自分の存在意義は常に変わりうる。だから考え続けるべきだ。実際、僕は四年生となったいまの自分の存在意義は別のものと捉えている。恥ずかしいから言わないが。

どんな人がこのブログを読んでいるかわからないが現部員、特に B チームの選手が読んでくれているならぜひ自分のチームにおける存在意義を考えてほしい。学生が運営しているため自由度が高い横国だからこそ、君の存在意義があるはずだ。関東二部昇格を目標にしている以上、

「自分がサッカーができればいい。」

だけの人材は横国サッカー部にはいらないと僕は思っている。考えるだけで意味がある。それを行動に移せられれば、それだけでチームに必要不可欠な人材になれる。

高校生で読んでくれている人がいるならば、ぜひ横国サッカー部に入ってほしい。うまさに関係なく、サッカー部で自分らしさを見つけてほしい。それを学生の自由度が高いうちで活かしてほしい。

ラスト約 2 か月。
自分の居場所を与えてくれたサッカー部に感謝している。努力を見ていてくれた先輩に感謝している。仲間として受け入れてくれた同期に、慕ってくれる後輩に感謝している。

秋リーグ全部勝とう。



こんなブログ書いちゃったし、明日からまた人一倍声出すか。

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