サッカーについて考える

山口和真

平素より大変お世話になっています。今季、副主将を務めさせていただく山口和真です。
文章を書き始めると癖で以下のような文体となってしまいます。読みにくく大変恐縮ですが、どうかお付き合いください。



ここでは、今季副主将兼戦術班リーダーということもあり、「サッカーについて考える」ということについて述べる。
そもそもサッカーについて考えるとは?という問いに対して明確に答えを持てない人がいるのではないか。
自分の中にはこれに対する4つの解釈が存在する。

(a)自分のプレーを見てフィードバックをする。
(b)対戦相手やプロの試合をみてアナライズする。
(c)プレーモデルを構築する。
(d)試合中に考えながらプレーをする。

これらの解釈について思うことを以下では深く掘り下げたい。

まず、(a)に関してだが、各個人がチームや自身のプレーを見て、より上手く、より強くなろうとすることは、我々横浜国立大学サッカー部が強くなるために不可欠であろう。公式戦や練習試合、紅白戦ではもちろんのこと、TR時でも、ビデオを観たりサッカーノートをつけたりと、フィードバックを得るべきだと考える。
(今年はその手助けとしてSPLYZAを導入する)


(b)にしても、相手がどんなチームなのか、どう戦うのかということを事前に知っておく必要があることは間違いないだろう。
(去年の神大戦前のMTであきとくんが作成した資料は非常に効果的であったはず)
また、プロのサッカーを観て多くを学ぶのも非常に重要であると考える。
自分みたいにサッカーを観るのが好きでなくても、頭の良い選手たちのサッカーを「考えながら」観て欲しい。
それが自分の中のイメージとなり、具現化しようとすることで、自分の能力のレベルアップやパフォーマンスの向上につながる。また、ゲームの流れを読む力、試合の全体像を把握する力がついたり、サッカーに対するモチベーションが高まったりする。


(c)は、

・戦略(相手に依って変わることのない、いわゆる『自分たちのサッカー』と呼ばれるもの)
・戦術(相手によって変化させるもの)

に二分化すると捉えている。

ここでは、前者の戦略ついて触れる。
現在我々が行なっている取り組みの中でこれに当てはまるのは、プレー原則やシステム、準プレー原則の設定といったものだ。
これらを今年はかなり緻密に作成したつもりである。それゆえ、可変システムをはじめとして難しい表現が多く、また、高い戦術理解度を要する。ただ、我々ならできるという根拠に基づいて作成した。その根拠についてはまた後ほど示す。

ついでに、これらが如何に大事かという話も自分なりの解釈のもと、しておこう。
明確なプレーモデルという共通の意思決定基準を設けることで、チームとしてどのようなサッカーを目指すべきなのかが定まる。チームの指針となるプレー原則に合わせ、選手たちは次の行動を選択できるようになるので、これはすなわち、

「全員が共通理解として一つのイメージを持てる」

と言い換えることができる。とある副主将の言葉を借りると「全員の目指すべき『ベクトル』が同じ方向を向く」とも言えよう。
仮に、これが実現したら…
今以上にサッカーが楽しくなるに違いない。試合に勝てるに違いない。考えるだけでワクワクする。
従ってこれらから、

プレーモデルの設定

我々のサッカーを楽しくし、かつ、チームを成熟させ強くする

と自分は認識している。
これはまさに我々の理念「挑戦 -世界を楽しくする-」ということなのだ。

(d)は、試合中に、相手のシステムやビルドアップの仕方、守り方、得意なこと、嫌がること、セットプレーの特徴…といったことを考えることを意味する。もっと細かく言えば、相手一人一人、例を挙げると、誰が蹴れて、速くて、左利きで、…といった特徴まで把握する必要がある。
本来ならば、(b)で述べたように試合前に知っておくべきことなのかもしれないが、大学サッカーではなかなか厳しい部分がある。
また、相手の情報だけではなく、点差や時間帯、天候、さらには審判までも考慮しなくてはならない。これらによって選択するプレーが大きく変わってくるのは言うまでもないであろう。ただ、自分を含め誰が試合中にここまで考えることができているのだろうか。

我々は、他の私立の大学と比べたらフィジカルや技術で劣る。もちろん、ここの差は日々の練習や筋トレを通じて埋めていきたいところだ。
ただ、どうしても埋まらないものがあることに、この先気付くことが多々あると思う。そういった時、どこで勝負して勝っていくかという壁にぶつかるであろう。

自分なりにこれに対する答えが出ている。

おそらくそういったチームたちと比べて、我々の大きな武器となるのは「思考力」や「真面目さ」であると自分は考える。特に頭の中、言ってしまえば頭の良さだ。だからこそ、前述したプレーモデルの設定も行なっている。
我々が関東二部昇格に向けて、レベルの高い大学に打ち勝っていくにはこういった武器から得られる

「一人一人の頭の中」
「チーム力」

で勝負するべきなのではないか。今はまだ、自分のプレーのことで手一杯の選手が多いのかもしれない。だが、今からでも一人一人が頭の中で「考える癖」を身につけることで、このチームはもう一回り強くなると確信している。全員が真面目に必死にトレーニングを重ねることで、プレーモデルや雰囲気、役職といった面からチーム力も向上すると確信している。
従って、オンザピッチ、オフザピッチの両面で

「考えて実行できる選手」=「考動できる選手」

がこのチームには不可欠であると自分は考える。今年のテーマである「考動」は意識次第で誰でも達成可能な目標なのだ。

我々横浜国立大学サッカー部は、

「昨シーズンの神奈川大学戦後、その差を痛感しています。このままでは終わらせません。その反省を生かし現在は一つ一つのプレーや勝負にこだわっています。今年こそは参入戦に行き、目標である関東二部昇格を目指してチーム一丸となって戦っていきます。」(Manager’s Blog 新主将挨拶より)

今まで一度も成し遂げることのできていない大きな目標。今年なら必ずやれると信じている。この部活のために、自分の持っているもの全てを捧げようという決心もとっくについている。あとは、ただひたすら突っ走るだけ。待ってろ昇格戦!関東二部!!!

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