我らがサッカー部

小泉成史

平素よりお世話になっております。今年度主将を務めさせていただいた小泉成史です。
今期の部員blogもトリとなりました。同期が普段の振る舞いからは想像できないような、それぞれの思いが綴られていて毎回感心させられます。
前回の凱斗のblogが反響を呼んでいるらしく(諸説あり)プレッシャーを感じていますが、自分なりに主将として今年一年感じたことを書いこうと思います。どうか最後までお付き合いください。

「貴重な大学生活、貴重な4年間、バイトやサークルで過ごそうなんてもったいない。君たちの価値は時給1000円なんてもんじゃない。俺たち(部活)の価値は時給じゃ図れない。」

一年生のころある部の新歓で聞いた言葉です。これを聞いたときは入部しようか迷ったくらい感動しました。単純ですね。 今、この言葉を聞いてから2年以上の月日が経った。
部活の価値とは何だろうか。僕は今、部活にどれほどの価値を見出しているだろうか。

「サッカーをやるだけ」これはどこでもできます。サークルでも社会人チームでも、友達とソサイチに出るだけでもいい。でも僕らは横浜国立大学サッカー部で大好きなサッカーをしている。

その「部活の価値」を考えていきたいと思います。

TOPチームで活躍するために練習・試合を一生懸命にやる。ライバルに負けないように自主練する。当たり前の話です。サッカー部である以上、サッカーで活躍することがみんなにとって一番価値があります。各代の首脳の良し悪しはその年のリーグ戦の結果で評価されるのも同じことです。

でも、結果じゃ図れないものが部活にはある。今年一年何となくそんな感じがしました。

今年は主将という立場を通して様々な経験をさせていただきました。こんなに部活のことで頭がいっぱいだった一年間はこの先、一生ないでしょう。
・みんなのモチベーションを高めるにはどうしたらいいのか?
・一体感を高めるために何をしたらいいのか?
・サッカー部の認知度をどうやって高めていこうか?
・どうやったらうまくビルドアップできるようになるのか?
・県リーグに誰を出すのか?
・なぜリーグ戦でよい結果が出ないのか? etc.
挙げたらきりがないですが悩みは沢山ありました。自分の無力さを痛感させられました。部活一筋すぎて彼女できませんでした。

自分のプレー以外のことで部活に没頭できたのは主将だからではありません。
辛いこともありましたが、それ以上にこの一年の活動に価値を見出していたからです。純粋に楽しかったのです。
プレーとは直接関係のない、他の大学の体育会の人に組織運営の話を聞きに行ったり、部活でセミナーを開いたり、1on1ミーティングを導入したり、高校生と座談会をやったりという活動を積極的に行いました。
全てサッカー部を強くしたい、もっと強くなれる、多くの高校生に知ってほしいという思いで活動していました。

でも実際はフットサルスクールを開催したら試合に勝てるわけではないし、地域清掃をおこなったらトラップが上手くなるわけではない。和田町のイベントに参加しても足は速くならないし、1on1ミーティングをやっただけではプレーの認知能力が上がるわけではない。

じゃあなんでやっているのか?

自分の価値を高めるため、そしてサッカー部の価値を高めるためではないでしょうか。

僕は上に書いた活動を通して一年前とは明らかに変わった自分がいると感じています。

僕たち三年生は、一年のころはひどい学年でした。
サッカーをやることしか興味がない。自分のことしか考えない人がほとんど。練習環境が良くなきゃ文句を言い。雑用やらない人は多いし(ちゃんと雑用してくれていたまじめ組の人、すみませんでした)。夏合宿は毎日やらかしていたし。試合勝てないし。

そんな奴らが今年は違った。
Bチームの後輩の話を聞いてくれる人。ギスギスしたAチームの雰囲気を変えてくれる人。プレーでチームを引っ張ってくれる人。BチームからTOPチームまで昇格した人。雑務をミスなくこなしてくれる人。客観的な戦術意見を出してくれる人。後輩に積極的にアドバイスをする人。新しいことをどんどん始めてくれる人。誰よりもストイックな人。みんなを盛り上げてくれる人。Bチームを任せられるようになった人。遠くで俺らを奮い立たせてくれる人。
良いことを並べただけで、全然ダメなところまだまだはあります。
でも首脳学年という経験を通して、サッカーしか部活における価値がなかった人たちが変わったのです。

“自分の存在価値の成長=部の価値”

部員一人一人の活動が「部の価値」に繋がっている。自分がどれだけ頑張ったか、が直結している。
ただサッカーだけやっている人には手に入れられないものだと思います。

部のために頑張ってくれる奴が試合に出るから僕は応援したくなる。そいつが点を取ったら本当にうれしい。自分も頑張らなくてはと思う。
こうやって今年一年突っ走ってきました。

横国サッカー部は三年で引退できる制度になっているが、僕はまだ引退しない。
「県リーグに出場する」
この、僕が入部時に立てた目標を達成していないからだ。
横国サッカー部の人たちはご存じの通り、僕は主将でありながらずっとBチームの人間です。
指導してくださった先輩方。一緒に自主練してくれる同期。張り合ってくれる後輩。
おかげさまでの入部したてのパスとトラップもまともにできなかったあの頃に比べ大分成長しました。
最高学年となる来年こそは県リーグに出たい。僕の誇りのTOPチームと同じピッチに立いたい。

それに今はもう一つの目標があります。
「横国サッカー部の価値を高める」
入部してから3年が過ぎ去ろうとしています。
今では僕はチームのことを考えられる人になりました。
大好きなこの部活を同期全員と後輩ともっと良いチームにしていきたい。

横浜国立大学サッカー部の価値は僕たちが高めていくしかないのだ。
「我らが横浜国立大学サッカー部」と誇れるような部活を作り上げよう。

そのためにも今日、僕たちが神奈川大学に勝ち、今の横浜国立大学サッカー部の「価値」を見せつけてやりたい。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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